○
川口敏治議員個人質問
議長(影山一雄君) 十三番、
川口敏治議員の登壇を許します。
[十三番 川口敏治君 登壇]
十三番(川口敏治君) 社民クラブの川口敏治でございます。
発言には十分注意していくつもりですが、もしミステークがありましたら、御容赦いただきたいと思います。
先日の台風十四号では県内各地で被害が発生し、今も不自由な生活をされている方もあり、心からお見舞いを申し上げまず。
また、日南市と都城市を結ぶ国道や県道が不通となり、通勤や運輸関係の方々もお困りのことと思います。道路の一日も早い復旧を願うとともに、交通の安全をお祈りしているところであります。
さて、質問に入ります。
我が国の借金残高が七百兆円とも八百兆円とも言われる中で、地方交付税も減らされて、予算編成も大変な時期を迎えるといわれています。そういう中で市民も我慢しなければならない時期にきているのかと感じてはいます。
そこで、財政の効率的な運用が迫られてくると思うんですが、その方法については、ひとえに市長の政治姿勢にかかわるところが大きいと思われるのでお尋ねいたします。
財政等縮小していくときは、例えば一律のシーリングを置いて全般的に縮小していくのか、それとも歳出カットに強弱をつけて重点的に再配分をするのかが考えられるわけですが、今後どのような選択をされるのかお伺いします。
もし重点的な再配分をお考えであれば、その方向性をお尋ねしたいと思います。今リストラや会社の倒産などで失業者もふえており、医療費や税金の負担もふえています。生活保護世帯もふえているとお聞きしますが、そういう中で扶助費や各種の福祉費は削減できない項目であろうと思いますが、市長の所信をお伺いいたします。
次に、障害者の福祉についてお尋ねします。
さきの国会で審議されていた障害者
自立支援法案という法律が、衆議院は通過しましたが、衆議院の解散によって参議院では審議未了のまま廃案になったものです。
この法案が廃案になったことで、ほっとした人や失望した人、また自治体では頭を抱えているという報道がありました。
もともとは二〇〇三年に、障害者がサービスを選ぶという方向で
障害者支援費制度が始まっています。この制度を日南市の障害者がどれほど利用されたのかはわかりませんが、利用者の急増で国の補助金予算は二〇〇三年度百二十八億円、二〇〇四年度では二百七十五億円の不足が生じ、財政的に制度破綻を起こしたそうです。
この
障害者支援費制度の利用は、身体障害者、知的障害者に限られ、精神障害者は対象外だったことと財政破綻を招いたことで、これにかわるものとして、国は身体、知的、精神の三障害のサービスの一元化を図るものとして、障害者
自立支援法案が出されたという経過があります。現在は所得に応じた応能負担なのに、新しい法案は原則一割負担の応益負担の導入が当事者の不安、心配を招いています。
つまりサービスを多く利用する人ほど多くの利用料を求められるわけで、言いかえれば、サービスを多く必要とする人はそれだけ収入が少ないわけですから、心配になるのはもっともなことだと思います。
言葉がよく似ていますのでゆっくり言いますが、身体、
知的障害者対象である現行の
障害者支援費制度の本年度の国の予算は九百三十億円ですが、来年一月に障害者
自立支援法が施行されることを前提に平成十七年度予算が組まれているために、一月分以降の財源百七十億円が不足するおそれがあるとしています。一番の問題は、法律をつくるときに当事者の意見を十分に酌み取ることが大切だと思いますが、当局はどう受けとめていらっしゃるのかお尋ねいたします。
次に三番目の柱に移ります。子育て支援についてであります。
まず初めに、子供の相談窓口について、日南市では保育所や児童手当に関する業務は福祉事務所、乳幼児や母子保健を取り扱うのは環境保健課、幼稚園に関することは教育委員会と分かれていると思いますが、この窓口を一本化するために、都城市ではこども課を新設して対応されるようになったと聞いています。三月議会で質問いたしましたときは、新聞の報道で見ただけなので情報としては取り寄せていませんという答弁でした。動き出して半年ぐらいになりますが、研究されているでしょうか。窓口が一元化されれば市民にとって好都合のように思いますが、メリット、
デメリット等の研究がありましたらお聞かせください。
少子化対策の必要性が叫ばれ、国でも
次世代育成支援法が制定され、従業員三百一人以上の事業所には、子育てと仕事が両立しやすい環境をつくる行動計画の提出が義務づけられることになりました。
日本世論調査会の世論調査によりますと、人口減少の影響について、
社会保障制度の破綻を上げた人が七九%と最も多く、次いで経済力の衰えを心配する人が五七%となり、危機感が広がっている実態が明らかになっています。また、子供の減少に歯止めをかける方策では、育児手当などの経済的支援を拡大してほしいとする意見が六〇%を超えています。次に子育てのための休暇が取りやすい環境づくりが重要とする意見が三七%ありました。出産、育児休暇を拡充し、所得保障をふやすとするものも三五%ありました。
企業でもさまざまな努力がされています。育児休業法の規定では、最長で一歳六カ月となっていますが、福岡市に本社のある西部ガスでは、子供が三歳になるまで育児休暇を認める独自の
子育て支援策を四月からスタートさせたとしています。またこの会社では、今後三年間で女性社員の七割以上が育児休暇を取得し、男性社員からも
育児休暇取得者を出すということも盛り込んでいるようです。
また
ダイワハウス工業という会社では、有給休暇を百日まで積み立て法定日数と合わせて最大百四十日間給料を受け取りながら仕事を休むことができるという制度をつくり、育児に利用する場合、
法定育児休業の後で積み立てた分を使用できるということで、働きながらの子育て支援には大きな力となるものと思われます。この
積み立て休暇制度は育児だけでなく、介護や
ボランティア参加、定年後に備えた学習などにも利用できるとしています。
学校関係者も含めた日南市の
次世代育成支援行動計画はどのような方向で検討されているのか、現時点での取り組み状況をお聞かせいただきたいと思います。
次に移ります。きつい話ですが、
自殺等防止策についてであります。
我が国の自殺者は、昨年は一昨年より二千百二人減ったとはいうものの三万二千三百二十五人で、七年連続で三万人を超えたと警察庁は発表しています。県内では過去三番目に多い三百九十四人と発表されていますが、日南市の実情はどうなのでしょうか。
自殺率の国際比較というのが朝日新聞に出ていました。統計数字は国によって一九九九年から二〇〇二年まで幅がありますが、人口十万人当たりの自殺者数を比較したものです。一位はリトアニアで四四・七人、日本は第十位で二十四・一人になっています。フランスは十九位、韓国が二十四位、ドイツは二十八位、アメリカは四十六位で十・四人です。イギリスは五十七位で七・五人となっております。日本はアメリカの二倍以上、イギリスの三倍以上で、いわゆる先進国の中では異常なほど高い数字となっています。
防衛医科大学教授で精神科医の高橋祥友氏は、二十五年間精神科医をしているが、百パーセント意思を固めた覚悟の自殺や犠牲的な自殺は見たことがないと語られています。自殺者の九割以上はうつ病など何らかの心の病を抱えている。心の病を取り除くことで自殺者数は減らせる。適切な治療と対策で自殺は減らせると断言されています。だとすれば、防止策を立ち上げるのも政治の責務ではないかと考えます。
秋田県は十年連続で
自殺率全国ワーストワンだったそうですが、二〇〇一年に六町をモデル指定し活動を始めたら、二〇〇一年三十人に上った六町の自殺者は、二〇〇四年には十三人に減っており、他市町村の数は減っておらず事業効果は明らかだとされています。
宮崎県の二〇〇三年度の自殺率は九州で最悪、全国で六番目に高かったそうですが、九州最悪は九〇年代後半から連続しているそうです。そういう状態にありながら、自殺予防の日常として活動する
民間ボランティア、「いのちの電話」が九州では唯一開設されていない空白地だそうです。いのちの電話は、カウンセリングなどの研修を積んだボランティアが相談に応じるのだそうですが、いのちの電話の存在を宮崎県民に周知できていないのだろう。相談できる場があることを知らずに苦しんでいる人も多いだろうと日本いのちの電話連盟は見ているようです。
日南市で何かできることはないだろうか。当局のお考えをお聞きしたいと思います。
ことしは戦後六十年の節目の年であります。鹿児島県の知覧は飛行機の特攻基地として有名で、特攻といえば神風特攻隊として飛行機を連想するほどですが、日向灘の海の特攻隊ともいえる人間魚雷「回天」や、特攻艇「震洋」の基地の存在についてはあまり知られていません。実際に回天が出撃することがなかったからでしょうが、終戦がもっとおくれれば出撃命令が出されていたことでしょう。戦争の実像を知る上で非常に貴重な史跡として残し、語り継ぐことは非常に意味のあることと考えます。
ことしの八月二日から宮崎日日新聞が「回天のあった海」と題して、五回にわたって連載していましたが、その第一回の文末には「(レールに乗って海へと出撃していく回天があった)隧道が今も残っているという。田代さんに案内してもらったが、がけ一面が勢いのよい樹木と夏草に覆われていて結局はわからなかった」と書かれています。戦跡めぐりも観光資源になると思いますが、まずは歴史資料として、樹木や雑草を取り除き、標柱を立てたり説明板を置いたり、その保存を進めたらどうかと考えます。歴史の証人がいらっしゃるうちにやっておくべきことだと思いますがいかがでしょうか。
六つ目の項目に入ります。
大堂津地区の
高齢者グループの方々は、夏休み期間中に
大堂津小学校の先生方の協力を得て
パソコン教室を開かれると聞きましたので、短い時間でしたがのぞいてみました。孫たちが使っているだろうパソコンに一生懸命に取り組んでいらっしゃいました。これは大変すばらしい取り組みだと思いました。校区の住民と先生方の距離が一気に縮まっているように思いました。子供を守るためにも学校から地域の方々への協力が呼びかけられていますが、地域と先生方を結びつける取り組みとして大きな成果を上げたのではないかと思いました。
ただ、暑さには参りました。
コンピューター室にはエアコンがあると聞いていましたが、
大堂津小学校にはエアコンはなく大きな扇風機がうなっていました。
コンピューター室とエアコンの実態はどうなっているのでしょうか。エアコンがあれば高齢者の方々ももっと快適に学習ができるだろうにと思ったことでした。
そして、もう一つ考えたことは、学校の猛暑対策についてであります。全教室にエアコンをなどと言うつもりはありませんが、特に高温になる教室があると思います。実態調査は進められているのでしょうか。また、最近の先生方は夏期休業中も校外研修が少なくなり、暑い教室で会議や教材研究をされることが多いと聞きます。一教室ぐらいは冷房のきいた部屋を提供してもよいのではないでしょうか。公共的な建物の中で学校が一番冷暖房から無縁なところのように思えます。当局のお考えをお聞きしたいと思います。
最後の質問に入ります。
宮崎県教育委員会は、教職員の職務行動(能力)評価を六月から試行すると発表しました。校長は教育委員会が、教頭は校長が、一般教職員は第一次評価を教頭が、第二次評価を校長が行うとしています。
この制度が創設されたねらいはどこにあり、課題としてどんなことが考えられるのでしょうか。単純に考えれば、縦系列での評価制度は上に逆らわない顔色を見る教職員が生まれやすくなるのではないかと心配されます。東京都などで先導的に試行されているようですが、問題も多いと聞きます。どう受けとめられているのでしょうか。この制度は子供たちのためという観点から見たとき、どんな効果が期待できるのでしょうか。昨年十二月の新聞報道では精神性疾患で休職する先生が三千人を超えたとしています。これ以上先生方が競争や教師集団の中で息苦しくなるのが心配ですがいかがでしょうか。
以上で壇上からの質問を終わりますが、御答弁よろしくお願いいたします。
[降壇]
[市長 谷口義幸君 登壇]
市長(谷口義幸君) 川口議員の御質問にお答えいたします。
まず、財政の効率的運用についての御質問でありますが、地方財政を取り巻く状況は、三位一体改革による地方交付税の大幅削減など非常に厳しい状況になっております。このような状況の中、私は「あなたが創る夢のある日南市」の実現に向けた重点項目の一つとして、市民福祉優先の
まちづくり推進を掲げているところであります。非常に厳しい財政状況の中での夢のある日南市の実現のためには、総合計画などの各種計画に基づき、事業の取捨選択、優先順位の格付けなどを行いながら、事業を実施していくことが肝要であると思っております。
議員御指摘の福祉関係の予算につきましては、市民が安心して暮らせることができるための予算として認識しておりますが、今後の方向性につきましては、現在策定を進めております
市政一新計画を反映した総合計画の中で検討してまいりたいと考えております。
また、
子育て支援策につきましても同様に考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
次に、障害者
自立支援法案についての御質問でございますが、平成十五年度に従前の行政がサービスを決定していた措置制度から、障害者の自己決定を尊重し、みずからがサービスを選択、契約に基づきサービスを利用する支援費制度に変わりました。制度改正後三年目を迎え、障害者の方々に支援費制度が周知された時期に、今度は障害の種類にかかわらず障害者の
自立支援を目的とした共通のサービスは共通の制度により提供を行う障害者
自立支援法案へ改正されようとしております。さきの国会で審議され、衆議院の解散により廃案となりました改正案では、現行の支援費制度でサービスに対する
利用者負担金を所得等により決定していた応能負担から、利用したサービスの量と所得等に応じた負担へ変わり、利用者の負担増が見込まれ、利用者にとっては大変厳しいものがあると感じておりました。
今後、法案提出の動向を注意しながら見守っていきたいと考えております。
次に、子供の総合窓口としてのこども課の研究についての御質問であります。
都城市のこども課は、本市の組織でいいますと、福祉事務所の母子児童係、保育所、それに環境保健課の母子保健係が一つになったような課であります。今後は市の組織機構の一新の中で研究したいと考えております。
次に、市職員の
特定事業主行動計画についての御質問であります。
六月議会でも御答弁申し上げましたが、一市二町の合併に向けた取り組みもありましたので計画策定を一年先送りしたところであります。現在その事務を進めておりますが、
職員アンケート等を実施し、年内には計画の素案を策定し関係機関との協議を行い、年度内には計画を公表したいと考えております。
また、計画の方向性につきましては、職員が仕事と子育ての両立を図ることができるよう、職員のニーズに即した
次世代育成支援対策を計画的かつ着実に推進するため、実行可能な計画にしたいと考えております。
次に、日南市の自殺者の現状と防止策に関する御質問についてでありますが、日南市内の過去三年間の自殺者及び自殺未遂者につきましては、
衛生統計年報によると自殺者の数は平成十三年度十四人、十四年度十四人、十五年度十五人。自殺未遂者の数は十三年度十三人、十四年度二十七人、十五年度二十四人となっております。
本市の自殺及び自殺未遂の原因につきましては、
衛生統計年報では原因別分類がないため不明ですが、全国的な統計を見ますと四〇%の方がうつ病や躁うつ病などの気分障害、二〇ないし二五%の方が
アルコール依存症、一〇ないし一五%の方が統合失調症、二〇ないし二五%の方が人格障害であったといわれております。このように、自殺の原因の多くは、心の病によって引き起こされた死であるといっても過言ではないと認識しております。
次に防止策についてであります。
本市として
具体的取り組みはございませんが、日南保健所と連携して、同保健所が実施している心の健康相談事業や心の
健康づくり講演会などを重点的に推進し、対応しているところでございます。しかし、今後は関係機関等との連携を強化して、うつ病の早期発見、早期治療のための体制づくりや職場等における
自殺予防対策の強化を図る必要がありますので、関係機関等と情報共有を深め、実効性の確保を図る方針でございます。
[降壇]
教育長(松田惟怒君) 川口議員にお答えします。
まず、油津や大堂津にあった人間魚雷「回天」や特攻艇「震洋」の基地についての御質問でございます。
議員御承知のとおり、戦後六十年を経た今日、戦争の実体験を持つ人が急速に少なくなっております。こうした中で、さきの戦争の真実を正しく後世に伝える努力をする必要があるものと認識しております。
基地跡地への標柱や説明板設置につきましては、今後調査、研究の必要性がございます。また、ほかの指定文化財の説明板等の整備との関連もございますので、今直ちにこれを設置するということは困難であろうかと判断しております。
次に、
大堂津小学校で開催されました
パソコン教室について、今後も開催できないかという御質問でございます。
開催されました
パソコン教室は、大堂津一区から三区までの区長さん方が、
大堂津小学校へ相談されて実現されたものとお聞きしております。
大堂津小学校は夏期休業中ならば可能であるということで、朝の九時から十二時まで計六回実施されたということでございます。参加者の皆さんは学校の先生方の指導を受けながら、ワードの入力、イラストの貼り付け、インターネットなどを学習され、最終的には暑中見舞い状をおつくりになったとお聞きしております。このほかにも、台風接近で中止になりましたが、今年九月五日、鵜戸中学校では参加者十五名の予定で計画しておりました。昨年度には油津中学校で
チャレンジ学習としまして
パソコン教室を開催しています。そのほかの学校でも過去実施した経過もございます。こうした例にございますように、地域の皆様方のニーズをもとにしながら、それを学校に申し込んでいただいて講座内容を詰めた上で、それぞれの学校でこれに対応してまいりたいと存じます。
次に、小中学校のパソコン室にエアコンを設置することができないかとの御質問でございますが、市内の小中学校のパソコン室の整備状況につきましては、小学校で二校、中学校は全校に設置してある状況でございます。教育委員会としましても、機器の保全でありますとか教職員や児童・生徒への負担を考えまして、保健室のエアコン設置後に年次的に整備できるようにしてまいりたいと考えております。
次に、学校の猛暑対策について保健室に扇風機でも設置できないか。また、学校を会議などで使用する場合、一部屋でもエアコンを設置できないかとの御質問でございますが、保健室のエアコンにつきましては、昨日柏田議員にもお答えしましたとおり、整備に向けて努力してまいりたいと考えているところでございますので、扇風機の設置につきましては今のところ考えはございません。
また、地域の皆さんや保護者の皆さんが会議等で御使用になる部屋に一箇所、エアコンを設置することができないかということにつきましても、まずは保健室のエアコン整備を先にしてまいりたいと考えております。御理解を賜りたいと存じます。
次に、教職員の評価制度についての御質問でございます。
議員御案内のとおり、本県では、本年度より全教職員を対象に評価制度を試行しておるところでございます。この制度は教職員の人材育成を図って学校組織の活性化を促すとともに、教職員のやる気を向上させることをねらいとしているものでございます。今回試行いたしております
職務行動評価というものは、教職員の
職務遂行能力の向上を目指すものでございまして、各職種におきましてどのような能力や、どのような行動が求められているかを具体的に示すことによる能力開発型の評価制度でございます。また、評価結果につきましての
フィードバック制度が設けられておりまして、
評価対象者自身が自分のどんな力をどのように伸ばしていけばよいかを明確にすることができるようになっているものでございます。
つまり、教職員の
職務遂行能力の向上を目的とします新しい
教職員評価制度と申しますのは、これまで以上に教職員にやる気をもって子供の教育に当たることができるようにするための制度でございます。全国的にも香川県、広島県、大阪府、東京都などで導入されております。東京都での例を申しますと、東京都では平成十二年度より導入をしておりますが、学校職員間のコミュニケーションがとれるようになったとか、また学校全体が組織的に動けるようになったという効果が上がったと聞いております。しかし、一部に評価に対する不信感や抵抗感が残っているということもあるようでございます。
そこで、本県でも試行期間の反省と改善を踏まえまして、管理のための制度になることのないように、直接子供に向き合う先生方一人一人の意欲や職務能力を発揮できるよう配慮しながら本格的な実施に向かう予定でございます。
十三番(川口敏治君) それでは、幾つか再質問をお願いしたいと思いますが、きょうまた追加議案が出されまして、平成十七年度の予算のこれまでの合計が百八十億八千七百万円ほどになっていると思いますが、昨年の一般会計の決算では歳入総額が百八十四億一千七百七十万円。それと比較しますと、大体今度の十二月、三月の補正を考えますと、歳入は昨年とほぼ同じぐらいと見込まれているのか。それとも今後はあまりふえないと想定されているのかいかがでしょうか。
財務課長(甲斐 守君) お答えいたします。
今回、台風関係の補正予算ということで五千万円を追加したところでございます。今後もバス関係の予算、それから退職手当等ございますので、ほぼ前年並みぐらいになるのではないだろうかと考えているところでございます。
十三番(川口敏治君) これから先が厳しい、ことしまでは何とかということなんでしょうか。現在二百四十八億円ぐらいの市債残高がありますから、その分の金利等を含めるとますます厳しくなるのかなという思いがあるんですが、今新聞等では景気が徐々に回復したというような言い方をされていまして、金利の情勢が少し上がってくると。また市債が多ければ金利負担も多くなるのではないか。そういう意味では、償還を計画的に急いでいった方が将来的にはいいのかなという気がしているところです。
来年度の財源見通し等について、いつごろ、ことしの何月ごろには大体見通しが立つのか、めどがありましたら教えてください。
財務課長(甲斐 守君) お答えしたいと思います。
来年度の見通しのお話でございますけれど、予算編成方針を財務規則によりますと十一月十五日までに出すということになっておりますので、十一月の上旬ぐらいにはある程度の見通しがわかるのではないだろうかと考えているところでございます。
十三番(川口敏治君) 次に、障害者
自立支援法にかかわってですけれども、法案ができてそれを該当者に説明される。手順はそうだと思うんですが、例えば現在の
障害者支援費制度ができたときに、どのような方法で該当者に周知をされたのか。今後はどのように考えられておりますか。所長も変わられたのでちょっとわかりにくいとこあるかもしれませんが、わかるだけで結構です。
福祉事務所長(池田泰千君) 的確な御回答にはならないかもしれませんけれども、今私どもの方の現行の予算関係につきまして、従来どおりの支援費制度で当初予算も組み上げているところでございます。
それで、今廃案となりました障害者
自立支援法案につきましては、また全国の関係団体の方からも反対があったかに聞いております。ですから、今それがどのような形で進むのか。前回と同様の提出になるのか、また修正されて提案されるのか。その辺もわかっておりませんので、私どもの方も今後の動向を見極めながら対処していきたいと考えております。
ですから、それをちゃんと受けて、また周知するものについては周知を図っていきたいと。はっきりしましてからそういうふうに対応していきたいと考えております。
十三番(川口敏治君) 支援費制度のようにこんなにごく短期間で変わるというのはあんまりないと思うんですが、こういう障害者にとってのサービスの変更については、できるだけ細かに周知徹底を図っていただきたいと考えています。
要望事項になりますが、個人にはもちろん通知されるでしょうけれども、障害別の団体等にも十分お話しをいただきまして、その段階の中でまた勉強会を開くなどして個人個人が理解していく。そういうふうにして住民が利用しやすいような説明の仕方を御検討いただきたいと思います。
続きまして、自殺者防止に関する件でございますが、宮崎県の場合、自殺率は十万人当たりで計算しまして三十三・九五人ぐらいになるんじゃないかと私計算しているんですが、非常に高い数値になっているんじゃないかと思います。
先ほど説明で、日南市は十四人、十五人、十五人という説明でしたけど、これを十万人当たりに換算すると私の計算では三十五人ぐらいになるんですね。だから本当に高い数字だろうと考えるわけです。
今答弁では保健所にある心の健康相談とか、いろいろ制度を使ってということでもありますけれども、全国で六県なくて九州では宮崎だけがないといういのちの電話相談なんですが、東京には日本いのちの電話連盟というのがあって、相談窓口も置いてあるということです。それから九州は他の県にはあるわけですから、そういう相談できる窓口があれば、それを市民に紹介していただいたらどうだろうかと思うんですが。何をおいても自分のところは自分のところでというようなことを考えることが大事でしょうけれども、宮崎県でボランティアのそういう団体がもしできなければ、カウンセリングや研修など受けなければいけませんし、二十四時間対応が基本ということですから、一人あたりではなかなか困難だろうと思うわけです。もし民間でできなければ、県でそういう機関を立ち上げてもらう。例えば消防は二十四時間体制ですから、そういうところとタイアップしてでも、いのちの電話相談の窓口を宮崎県で立ち上げたらどうかということを提案していただいたらどうかと思うんです。県の方へそういう要請ができるのかどうか、要請する意思があるかどうかをお尋ねしたいと思います。
環境保健課長(竹井 豊君) 自殺死亡率についての御質問でございますけれども、それに伴ういのちの電話相談と認識いたしております。
自殺死亡率について、まず私どもの考え方を御説明させていただきたいと思いますけれども、手元にございます公表された資料によりますと、平成十五年度において、全国が二十五・四人、そのとき宮崎県が三十一・七人、本市が三十三・四人ということで、この高い数値に深い危機を抱いております。
このようなことから、今後は速やかに調査・研究を行いまして、まずは実態の把握を行った上で関係機関との連携を深め、実効ある対策をと考えているところでございます。その前に、平成十四年度に自殺防止対策有識者懇談会から公表された資料がございます。自殺予防に向けての提言というのがございますので、これを詳細に分析しながら
自殺予防対策の実現性と実効性の確保を図りたいと考えております。
なお、御提言いただいておりますいのちの電話相談、なぜ本県だけ開設されていないのか。されてないとすればその理由等を伺いながら、当然ここでそういう要望することができるかどうかの問題ではなくて、要望してまいりたいと考えております。
十三番(川口敏治君) 先ほど紹介しましたように、精神科の先生も必ず減らせるという長い経験での主張もありましたから、もし周りで手助けすることができることがあれば、どんどん取り入れていって手助けしていく仕組みをつくっていただきたいと考えるところです。
続きまして人間魚雷回天の問題ですけれども、私たちは南郷町の道の駅の下の国道沿いにあります回天の標柱でよく知っていると思います。あそこには記念碑があって、南郷町がつくっているんですかね、南郷町教育委員会でもそういう標柱を栄松の方につくっている。そういうのを日南市でも油津が本部ではなかったかと言われていますので、日向から宮崎、油津、大堂津、南郷と、この流れの中に回天の基地があったわけですから、これまでに計画のある標柱なり表示板なりもあるとは思うんですが、この回天の基地等は早く整備しておかないとわからなくなってしまうという部分がありますので、標柱とか掲示板とかいう、それは文言も研究されなければいけないでしょうから時間がかかるかもしれませんが、とにかくあった場所を確認しておく。ここが大事だろうと思うんですが、とりあえずそれだけでもやっていただくようにはなりませんか。
教育長(松田惟怒君) お答えします。
先ほども申しましたが、どこにあったのかという場所の特定、まずはこれが先決だと思います。したがいまして、申しましたように、まずは調査・研究を実際にさせていただいて、それからほかの文化財との関連で標柱あるいはまた説明板という手順で進めてまいりたいと思います。
十三番(川口敏治君) 壇上でも申しましたように、とにかく関係者が健在なうちに調査を進めていただきますようにお願いいたします。
次は、パソコンの一般の人の利用についてはあちこちで活用されているようで心強く思いますし、あちこちで教職員と市民の方が接触できていい場になっているのかなと思います。
猛暑対策については、もう少し手を差し伸べてほしいと思います。三十五度、三十六度あるような教室もあると聞いていますが、そういう状態の中に子供と教員が置かれて、一方では学力向上といいますが、三十六度、三十七度あるところで集中しろと言ってもそれはむごい話だろうと思います。
次に、産業道路から松原団地間の市道影平東光寺線に植樹を行い、並木を形成してはとの御質問でございます。
道路の植栽につきましても、歩車道分離整備を行っていく中で検討してまいりますので御理解を賜りたいと存じます。
[降壇]
教育長(松田惟怒君) 猪崎議員にお答えします。
初めに、市内の給食未実施校の中学校に対する取り組みについての御質問でございます。
これにつきましては、学校給食に関します基本計画に基づきまして、現在取り組んでおります共同調理場が完成しますと、市内全小・中学校に給食を提供することができることとなります。
次に、未実施校におきます生徒が、弁当屋さんの弁当を持参してくることへの対応についての御質問でございます。
給食未実施校三校の中学校の生徒が、現在弁当持参で登校しておりますが、その中のごく一部の生徒には、弁当屋さんから弁当を買ってそのまま持参することがあるように報告を受けているところでございます。そうした生徒におきましては、それぞれの家庭の事情での弁当持参ではないかと思っているところでございますが、生徒の心身の健全な発育につきましては、食事のあり方が極めて大きな要素となっておりますので、教育委員会としましては、愛情のこもったお弁当、栄養面にも十分配慮されたようなお弁当を各家庭でつくっていただきまして、それを持参できますように、関係中学校に対しまして、参観日や保護者向けの便りなどを通して、引き続き啓発をしていただきますようにお願いをしてまいりたいと存じます。
次に、共同調理場の進捗状況についての御質問でございますが、これにつきましては、谷口議員にお答えしましたように、今年度じゅうに造成工事と実施計画を終わらせ、来年度、建物本体の建設工事を完了する予定でございます。
七番(猪崎明男君) 市長に申し上げます。
先ほどはいろいろと大変よい御返事をいただきましてありがとうございます。私が今から説明しますのは、信号機の設置についでございます。先ほどもちょっと出たかもしれませんけども、信号機の設置をされる場合には、松原団地方面から来る交差点でございますけれども、歩行者用信号機であります。また産業道路を通行する車両が前に通行する優先として、松原と対面する影平方面からの交通車両に対しては、交差点に設置されている上部の感知器が作動して信号が変わるわけでございますけれども、歩行者の場合も同様に信号機の下の方に押しボタン式、先ほども説明されたと思いますけれども、歩行者用信号機表示器がついている信号機を設置してもらい、安全な交差点の完全設定をしてもらいたいんですけれども、そういった形の信号機の設定をお願いしたいと思います。
またそういった問題で、交通方面に対していろいろ出てきたときは私もともに協力しますので、よろしくお願いいたします。そういうことでございますので、内容的に設置されるのかされないか、はっきりとお願いします。
土木港湾課長(野邊泰弘君) 信号機設置についてのお尋ねでございます。
信号機の設置につきましては、日南警察署の方にお聞きしましたところ、県内の要望箇所が全体で四百機ほどあるという状況でございまして、財政上の関係から、本年度実施予定される設置数は十七機ということを伺っておるところでございます。
早期の設置につきましては、先ほど申しましたような状況から困難なものがございますが、今後も設置に向けまして、日南警察署と協議を引き続き行ってまいります。
七番(猪崎明男君) 本当に私もいろいろあそこの交差点等歩きまして、一番大事なことは子供の通学路ですね。これは本当に私もあそこから近いところにおりますから、しょっちゅう子供たちを見に行きますけれども、小さい小学一、二年生はわざわざ遠回りして信号機のないところの交差点を右側に走っていきます。というのは、やはりそれだけの好奇心があるんでしょうね。それで、私も時々「車がたくさん通るんだからこういうときは渡らないでね。できれば信号機のあるところまで行って、信号機のところから右に通って行きなさいね」と注意をしたこともありますけれども、私がそんなふうに言ったときとか、大人の人たちが見ているときはまともに通りますが、見ていないと通過します。
そういったことで、父兄の方たちも月のうち二、三回はあそこに立って交通指導をしております。えらいなと思いますですね。その関係で交通に関してはいろいろと私も皆さん方にこういったことはこうですよと、この道は広いから車が来ることがわからないで子供たちが即横断するんです。センターライン等もないし、また横断歩道もないものですから区別がつかないわけです。先ほど市長も言われましたとおり、横断歩道でも、片側の歩道でもあればうまくいくんじゃないかと思いますので、できればそういった歩道等もつくっていただいて、スムーズに通行しやすい歩道をつくってもらって、道路の完全化を図ってもらいたいと思います。
以上で私の質問を終わります。
議長(影山一雄君) 以上で、猪崎明男議員の質問を終結します。
○石本兼義議員個人質問
議長(影山一雄君) 次は、二十三番、石本兼義議員の登壇を許します。
[二十三番 石本兼義君 登壇]
二十三番(石本兼義君) まず、集落の機能確保と市職員の公僕性並びに採用についてお尋ねをいたします。
私は星倉一丁目十三番地六に住んでおります。向原区五班の甲です。五班の甲は、私のような高齢者世帯が五戸、高齢者と壮年者の混合世帯が二戸、重度障害者世帯が一戸、健常者六戸の十四世帯でありますが、高齢者と障害者世帯は班のいろいろな役を免除しておりますので、残る八戸が回り番で回覧板の始末とかいろいろやっております。御承知のように、ますます高齢者社会になるわけでありますから、このままでは近い将来に集落の機能は麻痺するのではないかと心配するものであります。
そこで対策としての提案であります。
市の職員は公僕と言われております。そして大部分が頭脳明晰な健常者であります。したがって集落においても公僕として奉仕してもらう。そのために回覧板の世話とか、いろいろな集落の問題をやってもらうようにする。集落においては市の職員のいないところもあります。したがって、今後の市の職員の採用については、例えば酒谷十区が申し上げたような区である場合は、その区に定住することを採用の条件として、区においても公僕として奉仕してもらう。こうすれば市役所が続く限り、集落の機能も麻痺することはないのではないかと私は思うのですが、市長は将来の集落の機能対策についてどのような考えを持っておられますかお尋ねをいたします。
次は、重要伝統的建造物群保存地区の地名についてお尋ねをいたします。
飫肥に富土原と観音という集落がございます。乱杭野のすそ野とそれに続くところであります。この地名がどうしてつけられたのか。私の住む向原などから権現谷と呼ばれる富土原越えを頭にして乱杭野を見ますと、太っ腹の観音様が寝かされたように見えますので、寝姿観音と呼ぶ人もおります。乱杭野は子供の神様で有名な神社がございます霊山で、そのいわれはさておき、私は私たちの先賢がこの太っ腹観音の乱杭野をお守りする役所(やくどころ)として、そのすそ野に続く地を富土原観音という地名をつけられたと一人想像するのであります。これは私の考えで、真偽のほどはわかりません。だれか知る人がおられれば教えてもらいたいと思っております。このように地名には何かのいわれがあるものがあるわけで、それが歴史の一こまになっております。
さて、飫肥の伝建地区につきましても、例えば十文字は侍の登城する道が十字に結ばれていたからつけられたのだとか聞いたことがございまして、地名にはそのような歴史が刻まれているものと思います。
ところで、飫肥の伝建地区が飫肥三丁目とか四丁目とか近代的に変わりましたが、私は何か実態に沿わない気がするのであります。伝建地区の地名をもとに戻してはいかかでしょうか。京都かどこかでは、そのようにもとに戻したところがあるようでございますが、市長のお考えをお聞かせください。
次は、アスベスト問題についてであります。
アスベストは発がん物質である。したがって、これでつくった水道管は早急に取りかえるべきであるとは、私は早くから長年にわたってたびたび申し上げてきたところでありますが、一向に進まないと私はやきもきしていたのであります。亡くなった高砂倉課長は、彼の最後の委員会で、私の質問に、あと三年で全部取りかえますと言っていたと記憶しておりますが、実態はどうなっておりますか。
また、アスベストの労災適用で報道はにぎやかになっておりましたが、水道管による人的被害はないのか。
次に、公共建物のアスベスト対策は片づいているのですか。前の議員の答えで一応答えられておりますが、その後の時間の経過もございますのでお尋ねをいたします。
次は、災害対策についてお尋ねをいたします。
台風十四号は、本県を初めとして我が国に大きな被害を与えました。米国のハリケーンは目を覆うものがありましたが、欧州においてもアジア諸国においても、世界的規模で水害等自然災害が起こっております。
ここに法滅盡経という経文があります。私は仏教徒ではありませんのでよくわかりませんが、お釈迦様の教えだと思います。その一部を読んでみますと、「法滅せんとする時、女人は精進し恒に功徳を作すも、男子は懈慢にして法語を用いず、眼に沙門を見ること、糞土を視るが如し。信心有ること無し。法將に盡没せんとし、登爾天の時、諸天龍神泣涙するもえを捨てん。水と旱は調わず、五穀は熟さず、疫気は流行し、死亡する者衆し。人民勤苦するも県官は克を計り、道理に順わず、皆楽を思いて乱れ、悪人に転移するもの海中の沙の如し。善者は甚だ少なく、若しくは一、若しくは二、功盡きんとするが故に、日月は短に転じ、人命は促に転じ、四十にして頭白し。男子は淫佚にして精盡き夭命となる。或いは寿六十なるものあるも、男子の寿は短し。女人の寿は長く、七、八、九十或いは百歳に至るものあるも、大水忽ち起こり、卒に無期に至る。世人信ぜざるが故に常有ること無し。衆生雑類豪賤を問わず、没溺浮漂し魚の瞰うところとなる」とあります。
要はいろいろな天変地異があって、最後は水害によって人は魚のえじきになるということであると思います。
さて、そこで、今日までに人が魚のえじきになった水害は耳にしておりませんので、いつかはこのような自然の逆襲といいますか、大水害等が起こるということだと思います。
京都議定書も認めない国などがあり、地球環境はますます悪くなり、温暖化の結果は台風などの多発、大型化となって、私は我が国もその被害を受けることになると思うのであります。
そこで、このような非常時に対する市の対応はどうなっておりますか。非常食と水の備えは何ほど確保、用意してあるのかお尋ねをいたします。
また、今申し上げましたような大水害等に対しては、各人が常に何ほどかの備えをしておかねば対応しきれないと思いますが、私は腐らない抗酸化水と平成二十一年十二月までは保存できる乾パンだけは、少々ですが常備しております。
そこで申し上げたいことは、社会福祉協議会あたりでお盆前に島原そうめんの注文をとっておりますが、あのような方法でせめて乾パンだけでも各戸に用意させておく必要があるのではと思うのでありますが、市当局にはそのようなお考えはないか。このような非常時に対する市の対応策はどうなっておりますかあわせてお尋ねをいたします。
以上で壇上からの質問を終わります。少々健康を害しておりますので、聞きづらい点がありましたら、お許しいただきたいと思います。
[降壇]
[市長 谷口義幸君 登壇]
市長(谷口義幸君) 石本議員の御質問にお答えいたします。
まず、集落の機能確保と市職員の公僕性並びに採用についての御質問でありますが、議員御指摘のとおり、生活様式の多様化、少子高齢化などが急速に進み、地域の機能低下へとつながっているものと私も考えておりますので、常々職員に地域のためにいろいろな活動に積極的に参加するよう指導しているところであります。
地域の機能低下の対策について、その集落に住む職員が公僕として、いわゆる職員の地域担当制を導入し、回覧板や集落の問題などのお世話をする職員を配置してはどうかという御提言でありますが、全国の自治体の中で比較的小規模な自治体を中心に地域担当制を導入され、職員と住民がパートナーとして地域の活動を支援されている先進事例もありますので、今後地域の機能低下対策の一つとして研究してまいりたいと考えております。
次に、集落の機能低下対策として、職員採用時に機能が低下する地域に居住することを採用条件に付してはとの御提言でありますが、法律上の問題もあり、大変難しいと考えております。御理解を賜りたいと存じます。
次に、重要伝統的建造物群保存地区の地名変更についてのお尋ねでございます。
伝建地区を含めた飫肥地区の町名につきましては、住居表示に関する法律に基づき、アンケートや説明会等による住民の意向を踏まえた上で、学識経験者、地元区長、地元市議会議員等で構成されます住居表示審議会が答申した町名を市議会の議決を経て変更されたものでございます。
したがいまして、町名の変更につきましては、地域住民の合意形成や所要の手続等が必要になりますが、もとの地名に戻してほしいとの住民の皆様からの強い要望がありますれば、今後検討してまいりたいと考えております。
次に、アスベスト管の実態はどうかとの御質問であります。
市といたしましては、平成十八年度までにはすべてのアスベスト管の布設がえを完了する計画でありますが、県道益安平山線の布設がえについては、県道改良工事の進捗状況によってずれ込むことも予想されますので御理解賜りたいと存じます。
次に、アスベスト管による人的被害はどうかとの御質問であります。
厚生労働省によりますと、四年に改正しました水道水質基準の検討時にアスベストの毒性を評価したが、アスベストは呼吸器からの吸入に比べ経口摂取に伴う毒性は極めて小さく、また、水道水中のアスベストの存在量は問題となるレベルにないことから、水質基準の設定を行わないとしております。
また、十六年に世界保健機関が公表しております飲料水水質ガイドラインにおいても、飲料水中のアスベストについては、健康影響の観点からガイドライン値を定める必要はないと結論できるとしています。
以上から、アスベスト管を通った水道水については問題はございません。また、市民の皆様からの健康面についてのお問い合わせ、御相談は受けておりません。
次に、公共施設のアスベスト対策についてのお尋ねでございますが、これまでも数名の議員にお答えいたしましたように、市内の公共施設四百六十八棟について調査を行ったところであり、そのうち吹きつけ工法のとられていた十棟についてはサンプリングを行い、現在検査を依頼いたしております。今後検査の結果によりましては、健康相談窓口の設置や検診の支援、さらに施設の改善など、適時、適切な対応策を講じてまいりたいと考えております。また、民間建築物につきましては、県において進められておりますので御理解を賜りたいと存じます。
次に、災害時における非常食等の備えについての御質問でございますが、市独自での食料や水の備蓄は行っておりません。災害時における食料や飲料水につきましては、炊き出しによる臨時的な対応のほか、近隣市町村や自衛隊との連携により、その対策に努めることとしております。
しかしながら、緊急を要する事態も想定されますので、今後、非常食等の備蓄については再度検証を行い、災害時に適切な対応ができるよう検討してまいりたいと考えております。また、市民への乾パン等のあっせんにつきましては、市民の方々や事業所に対し、自主的に数日分程度の非常食等を備えるよう啓発活動を推進してまいりたいと考えております。
[降壇]
二十三番(石本兼義君) 再質問をさせていただきます。
まず、集落の機能確保についてでありますけれども、十年先を考えたときには一体どうなるんだろうかと思うんです。はっきり言って、現実に私たちが隣に回覧板を持っていくのができないんです。だから、回覧板を早く回してくださいと言って、隣の家まで行くのも大変な状態。そんなところが私の近くにも、実際私の区もそうなんですけど、そういう状態ですがいかがでしょうか。
将来の市の職員採用についても、今、市の職員の方はペーパー試験で非常に優秀な人が入ります。しかし、優秀な人だけを入れてもうまくいかないんですね。たしか優秀な人が二割でしたか、それから普通の人が六割でしたか、それからまあまあの人が二割でしたか。その割合ははっきり覚えていませんけれども、そういうような状態にしておくのが、事業所においても官庁においても一番うまくいくと私は聞いております。
田舎の方にはみんなが住まなくて、みんな街の方に出て行きます。そうすると田舎の方は、だんだん私が今言ったような状態になると思うんです。だから、酒谷の奥あたりは十区を九区、八区、三つぐらい合わせて一つにして、そこに市の職員を一人置くと。その人はいわゆる市の職員であると同時にそういうような仕事もする。それが職務ですよ。そういうふうにしておけばずっと市役所が続く限り続くんじゃないですか。
だから、将来、市の職員の採用方法とか、もし市の職員として採用ができなければ、その他の方法でもそういう方法をとるべきではないか。私は今からそう考えておくべきではないかと思うんですが、どうですか。
市長(谷口義幸君) お答えいたします。
議員仰せのように、確かにそういう不安というか心配はございます。
話はちょっとそれますが、ことしの四月の採用につきましても優秀な職員を何名か採用したところでございます。日南市内だけではなくて市外からも受験されておりまして、優秀な方を採用しました。市外からの方はなるべく市内に住んでほしいというお願いをいたしておきました。
今後、また集落の中でも、そういう、集落がなくなるおそれもありますので、議員の御指摘につきましては頭の隅に置くなど、今後また考えてみたいと思っております。
二十三番(石本兼義君) 次は、伝建地区についてでございますが、おっしゃったとおり私も議案には賛成したんです。賛成したけれども、こういうような意見があっちこっち出るものだから、賛成しながらまたこんなことを聞くのは恥だと思いましたけれども、申し上げたわけです。
そして、今考えてみますと、確かに私ども星倉一丁目から四丁目、前の星倉の区画整理地域の地番を決めるときにはそれに参加した一人なものですから、しかし今は、ああ、あのときにああいうふうにしておけば、郵便配達屋さんはよかったもしれないけれども、伝統的な地名を残しておかずにしまったなという気がいたします。だから、こういう問題は市民の方々に聞いていただいてやっていただけないだろうかと、私は思うんです。
例えば、今、飫肥で観光客を案内しています。あの人たちが案内するときに、ここは飫肥何丁目でございますというよりも、ここは飫肥の横馬場でございますと。昔ここにお城があって、ここにこういう道があったので横馬場とつけられたところでございますというような説明ができて、より昔を思うことができるんじゃないかなと思いましたので、市長、そんな気は起こりませんか。
市長(谷口義幸君) 確かに昔の地名というのは懐かしゅうございまして、いいものだと思っております。先ほどは壇上から議員仰せでしたが、京都の例を出されました。京都駅北側の地名は京都市下京区烏丸通七条下るというんです。結局は縦の通りと横の一条、二条、皇居というか、あそこからずっと一条、二条。それをずっと平安時代のころからの地名を生かしております。
また、議員御指摘の新しい町名にということでしたら、地元の皆さんのそういう強い御要望があれば再度検討してみたいというか、審議会にも諮ってみたいと思っております。観光にもまた役立つかもしれません。
二十三番(石本兼義君) 次は、アスベスト問題です。
これは政府の方針とか、厚生労働省なんか特にくるくる変わってくるんですね。私は最初この水道管を危険だといって取り上げたときは、当時の世間の声というものを、石綿は非常に害があって水道水は危険だと。だから早く取りかえなければいかんというような新聞紙面がにぎわったと思って、だから真剣に取り上げてきたんです。もう二十年ぐらいなりますか。そしてようやく高砂倉君があと三年でできますと言ったときに、もうちょっと早くならんかなと言ったぐらいなんですよ。
だから、昔はそういう危険であったものが今は危険じゃないと厚生労働省が言う。どうも納得できないんですね。本当に安全なのか。もし本当に安全ならば、現在そういう水を飲んでおる人の地域があるはずです。最近もある人が言いました。うちの集落は実はまだ石綿管で心配しておるんですがとですね。
だから、そういう安全宣言を出してください。そして一刻も早く残った部分の石綿管は取りかえてください。
市長(谷口義幸君) お答えいたします。
アスベストにつきましては、私も東京におりましたころ、昭和六十年ごろだったと思います。やはり国会でも騒がれましたが、いつの間にかニュースにも出なくなりました。つい最近になってまたこういう問題が発生しております。これは本当に議員仰せのように、健康に甚大な被害を及ぼすものと認識しておりますので、対応していきたいと思いますが、水道水の中の存在につきましては、国やら世界保健機関等のそういうこともあるようでございますが、もし担当でその辺の中身がわかれば説明をさせます。
水道課長(関屋公男君) 石本議員にお答えします。
まず、アスベスト管の残りが四千五百九十八メートルあるんです。それで先ほど市長の答弁にありましたように、平成十八年度に改修したいという考えを持っております。
それが一点と、今WHOと言われたんですけど、この飲料水の水質ガイドライン二〇〇四年版に載っているんですけど、摂取したアスベストが発生化物質である証拠が少ないと言われています。その中で、アスベストが胃腸に発生するがんをふやすことはないと。だから、摂取したアスベスト管が健康によくないという証拠がないため、飲料水に入っているアスベスト管に関してはガイドラインをつくる必要がないと言われております。
二十三番(石本兼義君) 納得はしませんけど、答弁はわかりました。
次は災害対策ですけど、十四号台風では大変お世話になりました。避難勧告がちょうどうちの境なんですね。隣の境でマイクでおらんだもんですから、僕はいいと言うんですが、家内に早く逃げないといけないと言って大変困ったんです。でもこういうような状態だったものですから市の方にお願いしていろいろお世話になったわけでありますが、そのときに、ああ、逃げれば何か食料を持っていかないといけないと思って、前に乾パンを買っておったなと思って探したらあったんです。本当言うと、それで初めて見たんです。ところが平成二十一年まで賞味期限があるわけです。買ったときから五年なんです。たしか二千円だったと思うんです。重さはこういう大きい缶に入ってますから、一人で食べたら一カ月ぐらい食べれると思うんです。
だから、ああいうようなものを一戸に一つぐらい、そうめんでもいいわけですけれども、いつも常備させておくということを市の係の方で宣伝でもされておけば、それだけ災害に対する備えができるんじゃないかと思うんです。僕は最もいいのはかつおぶしだと思うんです。実際に私も軍隊の時代にかつおぶしで命をつなぎました。だから、ずっと前に日南はかつおぶしの名産地だから、かつおぶしを非常食としてケースに入れて売りに出したらどうですかと言ったことがあるんですけど、実は取り上げられなかったんですね。しかし、かつおぶしは非常食になります。あれ一本持ってかじっておればいいわけですから。
だから、そういうことも考えていただいて、日南のそういう非常食の生産をすると。最前申し上げました法滅盡経の災害は必ず来ます。もう既にぼつぼつ来ております。私は必ず来ると思うんです。だからそういう備えをしておいていただきたいと思います。
これは答弁は要りませんが、以上で私の質問を終わります。
議長(影山一雄君) 以上で、石本兼義議員の質問を終結します。
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*延会議長発議
議長(影山一雄君) この際、お諮りいたします。
本日の会議は議事の都合により、この程度にとどめ延会したいと思いますが、これに御異議ございませんか。
[「異議なし」と呼ぶ者あり]
議長(影山一雄君) 異議なしと認めます。
よって、本日はこれをもって延会することに決定いたしました。
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*諸報告
議長(影山一雄君) あすは、本日に引き続き、市政に対する一般質問を行います。
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*延 会
議長(影山一雄君) 本日はこれをもって延会いたします。
=延会 午後四時六分=
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